いちじくのノウハウを後世に 長谷川 幸雄
どんな活動をしていますか?
20年前からいちじく農家をやってます。潮来市だけでなく、神栖や鹿島から毎年買いに来てくれる常連さんもいるんだよ。
はじめたきっかけはなんですか?
潮来市に道の駅ができると聞いて、なにか名物になるものをと思って始めました。
米はもともと豊富にとれたけど、それだけじゃいけない、そう思って目を付けたのが「いちじく」だったんだよね。潮来はいちじくを育てるのには文句のない土地だったんだ。昔は近所の庭に生えてるのをよく見たもんだよ。
熟していて甘い。皮のまま食べられます。
広い農園にはたくさんのいちじくが。時期になると毎日毎日収穫するんだとか。
一番大切にしていることはなんですか?
“人とのつながり“だね。いちじく農園を初めて20年がたつけど、収穫したいちじくを道の駅にもっていくと、売り場で「よかったら買ってって!」なんて声かけをしたよ。いまじゃそんな体力がないからできないけど、その時のことを覚えてくれているお客さんが道の駅で買ってくれたり、そこにないときはうちに電話くれて「あるかい?」なんて言ってくれるんだ。
今後の目標を教えてください
自分の持ってるノウハウを次の世代に伝えていきたいかな。せっかく”潮来のいちじく“が認識され始めたんだけど、私ももう70歳を超えたんで、広い範囲に売りに行くっていうのが難しいんだ。それに作業だって楽じゃない。いまのところ後継者がいないから私が動けなくなったらこの農園もおしまいなんだよ。自分で言うのもなんだけど、いい土地に立派な実がなるいちじく農園があるわけだ。これが無くなってしまうのはもったいない。私のノウハウはすべて惜しみなく伝えたいな。まずは私の話を聞いてくれる後継者が見つかるといいんだけどね。
アピールポイント
いちじくの形をよく見ると滑らかなきれいな曲線を描いていることがわかる。この形がイルカの頭に似ていることから、「ドーフィン」という品種名がつけられたそうだ。見た目も美しいいちじくを目の前に鉛筆を動かす長谷川さん。「いちじくなんて簡単だ」とあっという間にいちじくの絵を描き上げた。色も何もないのに、さっき食べた生のいちじくの食感が蘇る。“潮来のいちじく”をここで終わらせてはもったいない。どうしたものか。
遠方からくる常連のお客さんも多く、ついつい世間話をしてしまうそうです。「潮来=いちじく」のイメージが浸透していくよう何か新しい取り組みができればなあ・・・。